北限の無花果|秋田県にかほ市大竹
- 2011.09.13 Tuesday
- つむぐ もの
秋田と山形の県境、標高2,236Mの鳥海山の麓、海と山に挟まれた自然豊かな地域、秋田県にかほ市。
ここに秋田県の無花果[イチジク]の約9割を生産している地域があると聞き、「9割」ということにも驚いたのですが「それだけの無花果を栽培している」ということの想像がつかず、訪れずにはいられませんでした。
海沿いの国道から、鳥海山麓のなだらかな傾斜地に広がる田畑を横目に車で走ること約15分。重厚な瓦屋根の風情ある民家が建ち並ぶ集落が突如現れる。ここが秋田が誇る無花果の産地[にかほ市大竹]。
この地で代々、地酒屋と無花果の加工品生産を行っている佐藤勘六商店の四代目、佐藤玲さんと、玲さん主催の日本酒の会でお会いしたのがそもそもの始まりでした。
秋田の蔵を中心に、玲さん自身が実際に足を運び吟味した、こだわりの地酒を取り揃えている店舗。県内でもなかなか手に入らない稀少な銘柄も少なくありません。入口に掛けられた暖簾には「地酒」と共に「いちじく甘露煮」の文字。気になりますよね(笑)。
穏やかな人柄、柔らかい語り口からは想像がつきづらいのですが、玲さんの内面はいつも熱く使命感に燃えていて、その熱い気持ちに共感する同士やファンもたくさん。今年の春には、秋田が誇る“造る蔵元集団「NEXT5」”の一人、新政酒造専務の佐藤祐輔さんに刺激され(焚き付けられ?)、県内の酒販店に呼びかけて若手酒販店集団 “ 酒和从[しゅわっと]”を結成。6月には初開催ながら多くの人で賑わう新しいスタイルの屋外日本酒イベントを成功させました。私自身、玲さんの行動力とアイデアの豊富さに日頃からたくさんの刺激をもらっています。
“ 酒和从[しゅわっと]”でのイベントの際に玲さんが作った宣伝用の手描きPOPがこちら。
溢れ出る熱い想いで、内容は半分以上意味不明ですが(玲さんごめんなさい)「熱さ」はビシビシ伝わってきます(笑)。私は、あっという間にそんな玲さんの虜になってしまったのですが、ご本人はこんな感じでいつも冷静。しかし、この内側にはマグマがグツグツと煮えたぎっているわけです。
日本酒が縁で知り合ったわけですが、お会いすればいつも話題はいつの間にか無花果の話に。農家の高齢化、従事者の減少。これは無花果栽培も状況は同じようです。この地域を愛する気持ちを「無花果」を触媒にして、県内外へ「にかほ・大竹」という地名と一緒に届けたいと奮闘する勘六商店さん、玲さんの想いは、私たち casane tsumugu の取り組みととても近いものがあります。そんな話をするうちに「じゃあ一緒に何かやってみようか」ということになりました。
勘六商店さんの主力商品「いちじくの甘露煮」の加工所。初めてお邪魔した7月の初めは、まだ稼働していない状態でしたが、長年使い込まれた一つ一つのモノや道具が、窓から差し込む光に照らされて、とても素敵な佇まいでそこにありました。
現役の竈。使い込まれた道具は、ひび割れや煮汁が吹き溢れた跡さえも、美しく感じられます。
店舗に隣接する加工所を一通り案内していただいた後、近くの無花果栽培地を見せていただきました。一面が無花果の初めて見る不思議な風景。
これからどんどん実をつけていきます。収穫時期は9月下旬〜10月初旬までの約2週間。実が色付き、熟していくほど、鳥や動物たちの恰好のご馳走になっていきます。収穫時期が近づくにつれ、生産者の方々の緊張感は日に日に高まっていくことでしょう。
これだけ多くの無花果の木を見る機会は、普段の生活の中ではありえないことで、見たことのないこの光景に、どこか不思議な世界へ来たような感覚さえ覚えました。それでもここは地域で栽培している中のごく一部というのですから驚きです。
無花果の木の栽培方法は、生産者さんによってそれぞれ異なるようで、上の写真の木は剪定によって地面に沿うようにとても低く育てられています。また、幹が白くなっているのがわかるかと思いますが、本来の幹の色は白くはありません。無花果の一番の天敵はカミキリ虫で、幹の中に入り込んで木を枯らしてしまうのだそです。それを防ぐために、カミキリ虫が嫌うと言われている白色の塗料を幹の表面部分にだけ塗っているとのこと。
基本的に無花果栽培に農薬は使わないそうですが、この幹の部分に塗布する白い塗料にだけは、防虫剤を混ぜているのだそうです。あくまで幹の表面部分にだけで、同様のものを散布したりするようなことはないそうです。生産者さんによっては、この幹を白く塗ることをしていない方もたくさんいます。
それでもカミキリ虫に食われてしまったり、実がつきづらくなるなどの理由で、だいたい10年くらいで無花果の木は役目を終えてしまうのだとか。そしてまた新たな木を育てる。その繰り返し。自然やたくさんの生き物たちの中で無花果は育てられています。
このようにして手間暇かけて育てられた、間もなく収穫時期を迎える『にかほ市大竹の無花果』は、通称『北限の無花果』とも呼ばれています。また、この地域で栽培されている無花果はホワイトゼノアという品種で、西日本などで多く生産され、一般的に流通している大ぶりな品種(ドーフィン)よりも、小ぶりで糖度が高いのが特徴です。
この『北限の無花果』を、今回特別に勘六商店さんからお分けいただきました。短い期間での数量限定になりますが、casane tsumugu でもご注文を受け付けています。先行して私たちのメルマガでお知らせしたところ、早速お問い合わせをいただいてます。
フレッシュな無花果は鮮度が落ちやすく、完熟したものとなれば尚更です。そのため、完熟のものが店頭に並ぶことはまずありません。それを今回は特別に、そのままガブッといけるほど柔らかくなるまで生産者さんが見極めて摘み取ったものを産地から直送クール便でお届けします。
下の写真のように、贈答用いちごにも使われる実がぶつかりあわないパッケージに一粒ずつ大切に箱詰めしてお送りします。この時期、まさに一瞬しか味わえない柔らかな食感をお楽しみいただきたいと思います。
【北限の無花果・完熟】
[価格]1,260円(税込・送料別)/12粒入り(約500g)
[数量]先着10箱
[発送]9月25日頃〜10月5日まで
[送料]目安として、東京関東圏で660円(クール便)
※大変申し訳ございませんが、商品の鮮度保持のため、翌日までにお届けができる地域へのみの発送とさせていただきます。〈対象地域〉北海道(道北部を除く)、東北、関東、信越、東海、北陸
※収穫量は天候により左右されるため、お届け日のご指定はお受けできません。
あらかじめご了承ください。
それと、勘六商店さんが実際に加工品を作られる際に使用するものと同じ、新鮮な加工用の無花果もご用意していただきました。ご自宅で甘露煮を作られる方、ジャムやスイーツを作られる方にはこちらがオススメです。
【北限の無花果・加工用】
[価格]2,520円(税込・送料別)/約2kg
[数量]先着5箱
[発送]9月25日頃〜10月5日まで
[送料]目安として、東京関東圏で660円(クール便)
※大変申し訳ございませんが、商品の鮮度保持のため、翌日までにお届けができる地域へのみの発送とさせていただきます。〈対象地域〉北海道(道北部を除く)、東北、関東、信越、東海、北陸
※収穫量は天候により左右されるため、お届け日のご指定はお受けできません。
あらかじめご了承ください。
ご注文は「お名前」「お届け先ご住所」「電話番号」「ご希望の商品と個数」を、info@casane-tsumugu.jp までEメールでお送りください。数量限定につき、なくなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。
ご注文受付後、内容のご確認とお支払い方法などについて、こちらからご連絡させていただきます。
1年でわずか2週間しかない超期間限定のこの機会を、季節の旬を、ぜひお楽しみください!
GOOD DESIGN EXPO 2011 Report part.2
- 2011.09.11 Sunday
- つむぐ もの
前回のエントリに続き、8/26〜28に東京お台場ビッグサイトで開催された「GOOD DESIGN EXPO 2011」に出展した際の様子をレポートしたいと思います。
2日目となる8/27は、午後から「Area Aid Design Project」関連のトークイベントが開催されました。
第一部[15:00〜]は『これからもっと東北 〜 デザインとものづくりの大地へようこそ』と題し、NPOクリエイティブクラスター理事の岡田智博[ @OKADATOMOHIRO ]氏をモデレーターに迎え、東北6県および茨城県からそれぞれ、計7名によるリレープレゼンテーションが行われました。それぞれの企業が、デザイナーが、どんな想いで日々活動しているのかを、日頃の取り組みを例にあげながらお話してくださいました。
単にデザインする、カタチにする、商品化する、ということだけでなく、そこに至るまでの人と人とのつながりや、意見の対立・激論の様子、またそれら意見をぶつけ合うことの大切さ、そして地域で活動のベースをつくるための地道な努力の様子など、「地域」とつながりながらものづくりに取り組む現場の、生々しくも貴重なお話を聞くことができました。
また、3.11を機に、多くのデザイナーやクリエイターたちが『デザインとは何なのか?デザインで何ができるのか?』という現実と対峙し、その結果として『とても身近な人や場所などを見つめ直している』様子もうかがい知ることができました。
※秋田県大館市から伝統工芸「大館曲げわっぱ」柴田慶信商店代表取締役の柴田昌正さん
※岩手県からは国内漆の一大産地、浄法寺漆産業代表の松沢卓生さん
岩手県二戸市の浄法寺という地域では、国産漆の約8割を生産しています。しかし、一方で国内で消費されている漆の約99%が中国をはじめとする外国産漆で、国産はわずか1%程度なのだそうです。そこにはもちろん価格の問題もあります。しかしながら国産漆は、日光東照宮など国宝や重要文化財の修復には欠かせない存在。いまやそれらに漆を安定供給できるのは、ここ浄法寺しかなく、これを守り伝えていくためにも、100gでも国産漆を使っていただきたいのだと松沢さんは仰っていました。北東北でプロダクトを生み出していく者として、近い将来使っていきたい、使わなくてはならない重要な素材なのだと、お話を聞きながら心に刻みました。
※左から、岡田さん、立木さん、五十嵐さん、柿崎さん
第二部は、『旅したくなる・触れたくなる・・・デザインでクリエイティブしつづける新たな東北の魅力 〜 各地のクリエイティブハブから』と題し、引き続き岡田智博[ @OKADATOMOHIRO ]氏をモデレーターに、青森から「tecoLLC」代表の立木祥一郎さん、秋田から「あきた産業デザイン支援センター」センター長兼秋田公立美術工芸短期大学教授の五十嵐潤さん、宮城から仙台市のクリエイターらが多数入居するシェアオフィス「TRUNK」インキュベーションマネージャの柿崎慎也さんの3名を迎え、それぞれの取り組みを交えたトークセッションが行われました。
個人的にもその活動に常に注目している青森の「tecoLLC」。代表の立木さんには、いつも刺激と多くの気づきをもらっています。特に今回は、グッドデザイン賞の二次審査対象にもなっている「王余魚沢俱楽部」のプロジェクトのお話の中に、東北、とりわけ北東北で、大切にしていかなくてはならないのではと思うこと、意識して取り組まなくてはということのヒントが数多く散りばめられていたように思います。
「王余魚沢」という聞き慣れない、読めない(笑)地名にまつわる諸説ある言われや伝説は、このプロジェクトおよび場所の魅力をカタチづくるうえでの核になっています。私たちがいつも暮らしている地域・土地には、それぞれに歴史や伝説、民話の類のようなウソともホントとも言い切れないような話がたくさんあるものですが、そこで日々暮らす人たちにとっては、あまりに当たり前すぎて、日頃は意識の外に置いたままにしてしまっているのがほとんどではないでしょうか。
北東北には、アイヌ語が語源とされる数多くの地名が残っています。古の縄文の気配が感じられる場所や民話、伝説も数多くいまに残っています。そういったものの一つ一つを、地域の人たちが丁寧に拾い上げ、伝えていくことの大切さ、重要さを、あらためて気づかせていただきました。
日頃、同じ秋田にいながらも、お会いしたことがなかった五十嵐さんにもお会いすることができ、またトーク終了後には、直接お話することもできました。五十嵐さんがセンター長を務められている「あきた産業デザイン支援センター」が今年の春にできるまでの過去約15年間、秋田県は産業振興における「デザイン」を切り捨て、置き去りにしてきてしまったこと、それが県内のものづくりに与えてきた影響、しかしそれが今年また動き始めたことによるポジティブなお話など、近年の秋田県の動きをうかがい知ることができました。
3日目の最終日、8/28は日曜日ということもあって、業界関係者ではない一般の方と思われる多くの来場者で、午前中から会場はあっという間に埋め尽くされました。
会期中、たくさんの方が会場まで訪ねてきてくださったことを本当に嬉しく思います。「トラ男」プロデューサーの武田くん、「green drinks 吉祥寺」オーガナイザーのnumakoさん、「Souvenir Project」を運営している小池田さんご夫妻、「あきたのかお」を運営している金谷さん、会えなかったけど「WE LOVE AKITA」代表の簾内くん、他にも素敵な出会いや再会がたくさんありました。「あきたのかお」の金谷さんは、最終日の午前中に会いに来てくれて、当日の午後には記事をUPしてくれていたのには驚きました(笑)。本当に感謝しています。ありがとうございます。
私たちが出展した「新月伐採材のフォトフレーム」と「wappa clock」ですが、現在「新月伐採材のフォトフレーム」のみご購入いただけます。価格は5,800円[税込/送料別]です。1点1点手作業で丁寧に仕上げているため、ご注文をいただいてから2週間〜約1ヶ月でのお届けとなります。 まで、お気軽にお問い合わせください。お祝いの引き出物やプレゼントなどでの、まとまった数量のご注文にも対応させていただいております。
現在、新たな木のプロダクト、食の商品も進行中です。そのうちの2つか3つは、もうすぐお知らせできると思いますので、こちらもお楽しみにしていただきたいと思います。
また、現在先行して、地域の農家さんから直接お分け頂いた“旬の食”を「期間限定」「数量限定」で、casane tsumuguのメルマガにて受注販売しています。こちらはメルマガのみでのご案内となりますので、配信ご希望の方は、
までお名前とメールアドレスをお知らせください。先月は秋田県男鹿市から『とりこになる若美メロン』を産地直送でお届けしたところ、販売終了後も「また食べたい!」という声をたくさんいただきました。来週からご注文の受付を開始する“旬の食”を、今回だけ特別にお知らせすると、秋田県にかほ市大竹の【店頭には出回らない 超期間限定『北限の無花果(いちじく)』】同じく秋田県から、男鹿市五里合の【熟れるまで木で待った 果汁滴る『梨(幸水)』】。
どちらも生産者さん自らが絶対的な自信を持ってオススメする稀少な絶品です。
地域に根ざし丁寧につくられる、少量でも確かなモノ、スーパーや百貨店、エキナカでは出会えない、ビビッとするような稀少な価値を、地域の生産者さんと、そしてみなさんと一緒に創り上げていきたいと思っています。
※casane tsumugu メルマガバックナンバーはコチラでご覧いただけます。
GOOD DESIGN EXPO 2011 Report part.1
- 2011.09.06 Tuesday
- つむぐ もの
2011年3月11日の東日本大震災や東京電力の原子力発電所の事故後の開催ということもあり、審査委員長を務められている深澤直人氏は、開催にあたってこう述べられています。
デザインは生活を豊かにする知恵とそれを具体化する行為です。「豊かさ」といってもそれは経済的な意味だけではありません。「豊かさ」とは、人とモノ・コト、そしてそれを取り巻く環境のそれぞれ相互の関係が適正で調和することを指します。
(※中略)
東北の大震災や福島の原子力発電所の事故の経験によって、私たち一人一人の生活やものづくりへの考え方や価値観が大きく変化しようとしています。デザインを感覚的な良さとして捉えるのではなく、これからの生活に本当に必要なものであるかどうか、まさに「適正」が問われる時代なのです。グッドデザインエキスポもそういった意味において重要な役割を担っています。
この場で真の「豊かさ」と「適正さ」をみなさんで問い直してみたいと思います。
2011年度グッドデザイン賞審査委員長 深澤 直人
※開場後まもなく始まったオープニングトークセッション「豊かさ、適正さ」の様子
初日の8/26[金]東京は集中豪雨に見舞われ、公共交通への影響もあり、当初の開始時間である18時から30分遅れでスタートしました。出展者など関係者は18時から場内へ入ることができたのですが、その時点で場外には長蛇の列ができていて、注目度の高さを身をもって感じました。
前回のブログでも触れましたが、今回のGOOD DESIGN EXPO 2011では「Area Aid Design Project / 東北茨城デザインプロモーション」の特設ブースが設けられ、東北・茨城から100社のプロダクトやプロジェクトが展示されました。私たちのプロダクトもこちらでの展示となりました。
この「Area Aid Design Project」は、GOOD DESIGN EXPO主催者でもある公益財団法人日本デザイン振興会(以下、JDP)が、東日本大震災をうけて、デザインを通じた復興支援の取り組みを推進すべく「復興支援デザインセンター」を発足させ取り組んでいるもので、東北地方や茨城県のものづくり企業やデザイナー・クリエイターの事業推進を支援することを目的にしています。今後三カ年にわたり実施される計画で、主にJDP主催、もしくは関連する国内外のデザイン関連の展示会や見本市への東北・茨城エリアのメーカーやデザイナーの出展を促進させるものです。(※詳細はコチラ)
※会場で配布された参加プロジェクト一覧の冊子
私たちのプロダクトはこのように二つ隣り合わせで展示されました。たくさんの方の目に触れ、手に触れていただくことができて、とても嬉しく思います。
「新月伐採材のフォトフレーム」は、やはり手で触れてみた方の反応がとても良かったです。杉の柔らかな質感と、無垢材に蜜蝋ワックスのみの仕上げですから、その感触は特別なものです。
大館曲げわっぱの時計「wappa」は、たくさんの方々から「綺麗」とか「かわいい」といった嬉しい声を聞くことができました。本物の大館曲げわっぱをフレームに使用しているので、もちろん素材は天然秋田杉です。この写真でも、柾目の細かさが伝わると思います。
私たちは、日々の暮らしの中に取り入れやすく、実際に普段から使っていただけるデザイン、商品づくりをご提案していきたいと思っています。そういう意味でも、こうして様々な年齢や嗜好の方々の反応が見られる機会は、とても貴重で有意義なものでした。
近くのブースは、同じ秋田県からはもちろん、青森・岩手の北東北のプロダクトやプロジェクトが展示されていました。
こちらは浅草にも直営店を出された秋田県大館市の伝統工芸「大館曲げわっぱ」の柴田慶信商店さん。塗装をしないその質感は非常に繊細で、天然秋田杉の白木独自の素材の美しい白さが際だっていました。また、日頃から実際に使って下さるお客様の声をとても大事にされていて、そこから得た要望と高度な技術を掛け合わせて生み出される独特で柔らかなフォルムが非常に美しい仕上がりです。
こちらも秋田。仙北市角館の伝統工芸「樺細工」の新たな可能性を切り開いている藤木伝四郎商店さん。こちらも性別を問わず多くの方の注目を集めていました。
こちらは青森県の地方独立行政法人青森県産業技術センター弘前研究所さんの青森プレゼンツというプロジェクトから生み出されたプロダクトの数々。『自然豊かな青森の恵みを「おみやげ」という形で全国にお届けしたい』というコンセプトで職人によって丁寧につくられた魅力的なプロダクトがいっぱいでした。総合ディレクションは、個人的にとても尊敬している立木祥一郎さんが代表のtecoLLC。さすがです。
同じく青森県からは、お馴染みBUNACO。スツールなどが展示されていました。
いつもその動きから目が離せないtecoLLCさんからは『森トイプロジェクト』として取り組まれてきた子供用木工玩具「logmag(ログマグ)」。私たちと同じ杉材(青森県産)を使用しながらも「シュロ」と呼ばれるブラシ状の道具で表面を擦って「目出し加工」を施した美しい仕上げ。本当にいつも勉強になります。会場では子どもたちがなかなかここから離れませんでした。
こちらは岩手県から。国内最大(8割)の漆産地である二戸市浄法寺の漆。かねてからお会いしたかった浄法寺漆産業代表の松沢さんとも2日目にお会いすることができました。現在、国内で使われている漆の約98%は中国産なんだそうです。日本の漆文化を絶やさぬよう取り組まれているその姿勢にとても共感しています。
その他にも定番の伝統工芸品や、デザイナーやクリエイターとコラボするなど新機軸を模索したプロダクト、アートやデザインの力を活用した地域系のプロジェクトなど、魅力溢れる展示が多く、出展しながらにして大変学ばせていただいたという感じです。
今回のレポートはここまで。
続きは次回のエントリ「part.2」でお伝えします。
Profile
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- 北限の無花果|秋田県にかほ市大竹 (09/13)
- GOOD DESIGN EXPO 2011 Report part.2 (09/11)
- GOOD DESIGN EXPO 2011 Report part.1 (09/06)
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