秋田と山形の県境、標高2,236Mの鳥海山の麓、海と山に挟まれた自然豊かな地域、秋田県にかほ市。
ここに秋田県の無花果[イチジク]の約9割を生産している地域があると聞き、「9割」ということにも驚いたのですが「それだけの無花果を栽培している」ということの想像がつかず、訪れずにはいられませんでした。
海沿いの国道から、鳥海山麓のなだらかな傾斜地に広がる田畑を横目に車で走ること約15分。重厚な瓦屋根の風情ある民家が建ち並ぶ集落が突如現れる。ここが秋田が誇る無花果の産地[にかほ市大竹]。
この地で代々、地酒屋と無花果の加工品生産を行っている佐藤勘六商店の四代目、佐藤玲さんと、玲さん主催の日本酒の会でお会いしたのがそもそもの始まりでした。
秋田の蔵を中心に、玲さん自身が実際に足を運び吟味した、こだわりの地酒を取り揃えている店舗。県内でもなかなか手に入らない稀少な銘柄も少なくありません。入口に掛けられた暖簾には「地酒」と共に「いちじく甘露煮」の文字。気になりますよね(笑)。
穏やかな人柄、柔らかい語り口からは想像がつきづらいのですが、玲さんの内面はいつも熱く使命感に燃えていて、その熱い気持ちに共感する同士やファンもたくさん。今年の春には、秋田が誇る“造る蔵元集団「
NEXT5」”の一人、
新政酒造専務の佐藤祐輔さんに刺激され(焚き付けられ?)、県内の酒販店に呼びかけて若手酒販店集団 “
酒和从[しゅわっと]”を結成。6月には初開催ながら多くの人で賑わう新しいスタイルの屋外日本酒イベントを成功させました。私自身、玲さんの行動力とアイデアの豊富さに日頃からたくさんの刺激をもらっています。
溢れ出る熱い想いで、内容は半分以上意味不明ですが(玲さんごめんなさい)「熱さ」はビシビシ伝わってきます(笑)。私は、あっという間にそんな玲さんの虜になってしまったのですが、ご本人はこんな感じでいつも冷静。しかし、この内側にはマグマがグツグツと煮えたぎっているわけです。
日本酒が縁で知り合ったわけですが、お会いすればいつも話題はいつの間にか無花果の話に。農家の高齢化、従事者の減少。これは無花果栽培も状況は同じようです。この地域を愛する気持ちを「無花果」を触媒にして、県内外へ「にかほ・大竹」という地名と一緒に届けたいと奮闘する勘六商店さん、玲さんの想いは、私たち casane tsumugu の取り組みととても近いものがあります。そんな話をするうちに「じゃあ一緒に何かやってみようか」ということになりました。
勘六商店さんの主力商品「いちじくの甘露煮」の加工所。初めてお邪魔した7月の初めは、まだ稼働していない状態でしたが、長年使い込まれた一つ一つのモノや道具が、窓から差し込む光に照らされて、とても素敵な佇まいでそこにありました。
現役の竈。使い込まれた道具は、ひび割れや煮汁が吹き溢れた跡さえも、美しく感じられます。
店舗に隣接する加工所を一通り案内していただいた後、近くの無花果栽培地を見せていただきました。一面が無花果の初めて見る不思議な風景。
これからどんどん実をつけていきます。収穫時期は9月下旬〜10月初旬までの約2週間。実が色付き、熟していくほど、鳥や動物たちの恰好のご馳走になっていきます。収穫時期が近づくにつれ、生産者の方々の緊張感は日に日に高まっていくことでしょう。
これだけ多くの無花果の木を見る機会は、普段の生活の中ではありえないことで、見たことのないこの光景に、どこか不思議な世界へ来たような感覚さえ覚えました。それでもここは地域で栽培している中のごく一部というのですから驚きです。
無花果の木の栽培方法は、生産者さんによってそれぞれ異なるようで、上の写真の木は剪定によって地面に沿うようにとても低く育てられています。また、幹が白くなっているのがわかるかと思いますが、本来の幹の色は白くはありません。無花果の一番の天敵はカミキリ虫で、幹の中に入り込んで木を枯らしてしまうのだそです。それを防ぐために、カミキリ虫が嫌うと言われている白色の塗料を幹の表面部分にだけ塗っているとのこと。
基本的に無花果栽培に農薬は使わないそうですが、この幹の部分に塗布する白い塗料にだけは、防虫剤を混ぜているのだそうです。あくまで幹の表面部分にだけで、同様のものを散布したりするようなことはないそうです。生産者さんによっては、この幹を白く塗ることをしていない方もたくさんいます。
それでもカミキリ虫に食われてしまったり、実がつきづらくなるなどの理由で、だいたい10年くらいで無花果の木は役目を終えてしまうのだとか。そしてまた新たな木を育てる。その繰り返し。自然やたくさんの生き物たちの中で無花果は育てられています。
このようにして手間暇かけて育てられた、間もなく収穫時期を迎える『にかほ市大竹の無花果』は、通称『北限の無花果』とも呼ばれています。また、この地域で栽培されている無花果はホワイトゼノアという品種で、西日本などで多く生産され、一般的に流通している大ぶりな品種(ドーフィン)よりも、小ぶりで糖度が高いのが特徴です。
この
『北限の無花果』を、今回特別に勘六商店さんからお分けいただきました。短い期間での数量限定になりますが、casane tsumugu でもご注文を受け付けています。先行して
私たちのメルマガでお知らせしたところ、早速お問い合わせをいただいてます。
フレッシュな無花果は鮮度が落ちやすく、完熟したものとなれば尚更です。そのため、完熟のものが店頭に並ぶことはまずありません。それを今回は特別に、そのままガブッといけるほど柔らかくなるまで生産者さんが見極めて摘み取ったものを産地から直送クール便でお届けします。
下の写真のように、贈答用いちごにも使われる実がぶつかりあわないパッケージに一粒ずつ大切に箱詰めしてお送りします。この時期、まさに一瞬しか味わえない柔らかな食感をお楽しみいただきたいと思います。
【北限の無花果・完熟】
[価格]1,260円(税込・送料別)/12粒入り(約500g)
[数量]先着10箱
[発送]9月25日頃〜10月5日まで
[送料]目安として、東京関東圏で660円(クール便)
※大変申し訳ございませんが、商品の鮮度保持のため、翌日までにお届けができる地域へのみの発送とさせていただきます。〈対象地域〉北海道(道北部を除く)、東北、関東、信越、東海、北陸
※収穫量は天候により左右されるため、お届け日のご指定はお受けできません。
あらかじめご了承ください。
それと、勘六商店さんが実際に加工品を作られる際に使用するものと同じ、新鮮な加工用の無花果もご用意していただきました。ご自宅で甘露煮を作られる方、ジャムやスイーツを作られる方にはこちらがオススメです。
【北限の無花果・加工用】
[価格]2,520円(税込・送料別)/約2kg
[数量]先着5箱
[発送]9月25日頃〜10月5日まで
[送料]目安として、東京関東圏で660円(クール便)
※大変申し訳ございませんが、商品の鮮度保持のため、翌日までにお届けができる地域へのみの発送とさせていただきます。〈対象地域〉北海道(道北部を除く)、東北、関東、信越、東海、北陸
※収穫量は天候により左右されるため、お届け日のご指定はお受けできません。
あらかじめご了承ください。
ご注文は
「お名前」「お届け先ご住所」「電話番号」「ご希望の商品と個数」を、
info@casane-tsumugu.jp までEメールでお送りください。数量限定につき、なくなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。
ご注文受付後、内容のご確認とお支払い方法などについて、こちらからご連絡させていただきます。
1年でわずか2週間しかない超期間限定のこの機会を、季節の旬を、ぜひお楽しみください!
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